INFRA INTELLIGENCE お問い合わせ

道路のアスファルトにはどんな種類がある?わざと水を通す舗装があるのはなぜ?

道路の舗装は大きくアスファルトとコンクリートの2種類で、コンクリートはごく一部です。アスファルトにも粒の詰め方で種類があり、雨の日に水たまりができにくいのは排水性舗装です。違いを断面図で解説します。

円柱形に抜き取ったアスファルト舗装のコア。層の重なりが見える(イメージ)

道路の舗装は、大きくアスファルト舗装とコンクリート舗装の2種類です。道路の延長で見ると、コンクリート舗装は約4.5%しかありません(2024年3月末。国土交通省「道路統計年報2025」の表3から計算)。一般の道路の表面は、粒がぎっしり詰まった「密粒度」のアスファルトです。雨の日に水たまりができにくい道路は、すき間の多いアスファルトで水を側溝へ流す「排水性舗装」です。

アスファルトとコンクリートは何が違う?

アスファルト舗装とコンクリート舗装の断面の比較。アスファルト舗装は上から表層、基層、上層路盤、下層路盤、路床の5層。コンクリート舗装はコンクリート版、路盤、路床の3層で、コンクリート版には目地(継ぎ目)がある。
図1 アスファルト舗装とコンクリート舗装の断面(厚さは模式的)

アスファルト舗装はすぐ固まる代わりに、暑さの影響を受けやすい舗装です。コンクリート舗装は固まるのに時間がかかりますが、すり減りに強く、わだち(タイヤの通り道のくぼみ)ができにくい舗装です(出典: 国土交通省 道の相談室)。

比べる点アスファルト舗装コンクリート舗装
固まるまですぐ時間がかかる
設計期間の目安10年20年
主な場所一般の道路大型車の多い道路、トンネル

設計期間は、車の重さでひび割れが出るまでの期間として見込む年数で、表の値は国の設計基準で一般的とされる年数です(出典: 国土交通省「道路舗装に関する設計基準」)。トンネルのように補修の工事がしにくい場所では、長もちするコンクリート舗装が選ばれます。

道路は何層でできている?

アスファルト舗装は、車が走る表層と、その下の基層をアスファルトでつくり、その下を砕石などの路盤で支えています。いちばん下の路床は、舗装を載せる地面です。国の設計基準の標準的な断面では、表層に粒が詰まった密粒度、基層に粒の粗い粗粒度のアスファルトを使います。

コンクリート舗装は、厚いコンクリートの板(コンクリート版)を路盤に載せ、一定の間隔で目地(継ぎ目)を入れます(図1)。

道路のアスファルトは、砕石・砂・石粉をアスファルトで固めた材料です。正式には「アスファルト混合物」、業界では「合材」と呼びます。工事では温めて敷く加熱式を使い、補修用には常温で使えるものもあります(出典: 日本アスファルト合材協会)。工事ではがした古いアスファルト舗装のかたまりは、99.5%が再資源化されています(2018年度。国土交通省)。

アスファルトにはどんな種類がある?

アスファルト混合物は、大小の粒をどう組み合わせるかで性質が変わります。身近な道路で見かけるのは主に次の3つです。

  • 密粒度: 大小の粒がすき間なく詰まったもの。一般の道路の表層に使う
  • 開粒度: すき間を多く残したもの。すべり止め舗装や透水性舗装に使う
  • ポーラス: すき間がとくに多いもの。排水性舗装や、音の静かな低騒音舗装の表層に使う

「密粒度アスファルト混合物(13)」のように名前の後につく数字は、いちばん大きい粒の大きさ(mm)です。「13F」の F は石粉を多くしたもので、主に寒い地域で使います(出典: 日本アスファルト合材協会「アスファルト混合物の種類と特長」)。

アスファルトの断面の拡大図の比較。左の密粒度は大小の粒がすき間なく詰まり、雨水は表面を横に流れる。右のポーラスは粒の間にすき間があり、雨水が中へしみ込む。
図2 密粒度は水を表面で流し、ポーラスは水を中へ通す

雨の日に水たまりができない道路は何が違う?

すき間の多いアスファルトで、水を舗装の中へ通しているからです。しみ込んだ水の行き先によって、排水性・透水性・保水性の3つに分かれます。

水を通すアスファルト舗装3種類の断面。排水性舗装は、表層にしみた雨水が水を通さない基層の上を流れて側溝へ出る。透水性舗装は、雨水が舗装の下の地面までしみ込む。保水性舗装は、表層のすき間にためた水が蒸発する。
図3 排水性・透水性・保水性は、しみ込んだ水の行き先が違う
  • 排水性舗装: 表層にしみた水を、その下の水を通さない層の上で側溝へ流します。車の走る音も小さくなります。
  • 透水性舗装: 水を舗装の下の地面まで通します。雨水を地中へ戻し、一度に流れ出るのを抑えます。
  • 保水性舗装: すき間にためた水が蒸発するときの熱で、夏の路面温度を10〜20℃ほど下げます(出典: 日本道路建設業協会「保水性舗装」)。

排水性舗装にすると、車の水はねや、タイヤが水に浮いてハンドルがきかなくなるハイドロプレーニング現象が起きにくくなります。夜の雨でもライトが路面で乱反射しにくく、路面が見やすくなります(出典: 日本道路建設業協会「ポーラスアスファルト舗装」)。

車道を水の通る舗装にするときは、直径15cmの円から15秒間に1,000ml以上(道路の種類によっては300ml以上)の水がしみ込むことが、施工直後の基準です(出典: 国土交通省「舗装の構造に関する技術基準」)。

ただし排水性舗装は、しみ込んだ水で下の基層から劣化することがあります。水と舗装の損傷の関係はポットホールはなぜできる?で説明しています。

ほかにどんな舗装がある?

暑さやわだち、暗さ、凍結といった場所ごとの困りごとに合わせた舗装もあります(出典: 日本道路建設業協会)。

  • 遮熱性舗装: 赤外線をはね返す樹脂を表面に塗り、夏の昼の路面温度を10℃以上下げる
  • 半たわみ性舗装: すき間の多いアスファルトに特殊なセメントミルクをしみ込ませ、わだちをできにくくする。交差点やバスターミナル、料金所などで使う
  • 明色舗装: 明るい色の石を使って路面を明るくし、トンネルの中などを見やすくする
  • 凍結抑制舗装: 凍結を抑える薬剤やゴムなどを混ぜ、寒い地域の坂や交差点を凍りにくくする

街で見分けるには?

見た目で分かるのは目安までです。黒くて表面の目が細かいのが密粒度、ざらざらして小さな穴が見えるのが排水性などのすき間の多い舗装です。白っぽく、一定の間隔で継ぎ目(目地)が入っていればコンクリート舗装です。

雨の日は見分けやすくなります。排水性舗装の区間では、路面に水が浮きにくく、車の水はねが少なくなります。

よくある質問

Q. トンネルの中の道路が白っぽいのはなぜ?

コンクリート舗装や、明るい色の石を使った明色舗装が使われていることがあるからです。コンクリート舗装は補修の工事がしにくい場所に向き、明色舗装は照明で路面を明るく見せます。

Q. 車道が少し傾いているのはなぜ?

雨水を道路の端の側溝へ流すためです。舗装した車道には、横方向に1.5〜2%の傾き(横断勾配)を付けるのが標準です(道路構造令第24条)。水を舗装の中へ通す舗装では、排水に支障がなければ、この傾きを小さくしたり、付けなかったりできます。


道路を使う方へ:次に読む ポットホールはなぜできる?/道路の黄色い線と白い線は何が違う?

道路を管理する方へ 舗装の損傷をスマホで記録し、地図で共有するサービス「みちカルテ」を開発中です。

最終確認日: 2026年9月27日

参考資料

お問い合わせ